
AIは銀行の業態を大きく変えようとしています。
金融業界には今後どのような影響があるのか?
# この記事は、平成30年3月に、メルマガで投稿した記事を一部加工したものです。
AIが金融機関を大きく変える
「AIによって、士業の定型的な業務はなくなる」と、最近よく聞きませんか?
実は、AIによって受ける影響の大きさは、金融機関がいちばん大きいかもしれません。
次は自動車産業。
その金融機関で特筆すべきAIの動きをお伝えしますね。
場所は中国です。
最近の中国では、買い物でほとんど現金が使われていないってご存じですか?
道ばたの露天商の支払いでもスマホで支払いが行われています。
「アリペイ」とか「ウィチャットペイ」と言います。利用者はそれぞれ8億人。
最近アリペイが融資を始めました。
この融資、ネットで申込みをしたと同時に融資金が口座に振り込まれます。
申込みと同時に融資金が口座に振り込まれるんですよ!
こんなこと日本ではあり得ないですよね。でも中国では今後これが普通になりそうなんです。
なぜ申込みと同時に融資が実行できるのか?
AIが審査を行っているからなんですね。
融資実行に人間は不要です。
アリペイが保有する恐るべき信用情報
アリペイを運営する会社は「アントフィナンシャル」。
世界最大のモバイル決済の会社で、その親会社は「アリババ」です。
アリババはアマゾンの中国版の会社です。
この会社規模が巨大です。
中国で11月11日は『独身の日』と言って、ちょっとしたお祭り。
この日にアリババがどれくらいの売上げを上げるか?
日本円で2兆8000億円です。
たった1日で。
三越伊勢丹の「1年」の売上げが1兆2500億円。その倍以上をたった1日で売り上げてしますくらいの規模の会社です。
そこで使われている決済方法が『アリペイ』。
アリペイはオンラインの決済だけでなく、レストランの支払い、コンビニの支払い、露天商で値引き交渉した後(笑)の支払いなど、ありとあらゆるところで使われています。
そうするとアリペイではこれらの支払い状況が全てデータベースとして保管されているんですね。
しかも、予約もスマホですから、予約してもドタキャンしなかったか、も全てデータ化されています。
これらのデータが信用格付けにつながって、中国では一人ひとりに信用度の点数がついています。
『セサミ・クレジット』(芝麻信用)といいます。
セサミ・クレジットのHPはこちら(中国語)
このセサミ・クレジットが
700点以上なら、予約のときに保証金が不要だが、
700点未満なら保証金が必要とか
男女の恋愛も、730点未満の人とは結婚しません(笑)とか
信用の可視化ですね。
そして『セサミ・クレジット』を使って、スピーディーに融資をするサービスが始まっています。
なぜ、アリババが日本にとって脅威なのか?
アリババの筆頭株主はどこか?
皆さんもよく知っている『ソフトバンク』です。
そして、低金利で死にそうになった日本の銀行を、アリババが救済(買収)したらどうなるか?
一夜にして日本で最大の銀行の誕生です。
ソフトバンクはスマホを持っています。
つまり数千万人単位のスマホの支払い状況のデータがある。このデータの活用も考えられます。
中国企業が日本企業を助けるなんてあり得ない!
と思っていません?
すでに実績があります。
潰れそうになった「シャープ」を中国の「ホンハイ」が買収したのは、2016年のことです。
ホンハイに買収されたシャープは、あっという間にV字回復しました。
ですから、日本の金融機関がアリババに買収され、アリババ方式の融資方法が日本に持ち込まれるというのはあながち夢物語ではないのですね。
生き残るのは強いものではない。環境の変化に対応したもの。
アリババ方式の融資まで行くのは極端だとしても、金融機関は様々な変化が押し寄せています。
・ビットコインによる資金の流通
・現金のキャッシュレス化(デンマークなど先進国でも、現金使用廃止を決定)
ここまで大きな変化でないにしても、士業など専門家もこの時代の変化には無縁ではいられないはずです。
このようなとき、生き残るのはどんな人か?
よく言われる言葉がこれですね。
「強いものが生き残るのではない。生き残るのは変化に対応したものだ」
マネジメントの父のピーター・ドラッカーもいっていました。
「世の中は常に変化する」
昨日と同じことを明日も続けていたのでは時代の変化にいつか、淘汰されてしまいます。
我々もその変化を先取りして対応していく必要がありますね。
そのためには、まずは時代の流れを読むことが大切。
世の中の変化に、常にアンテナを張っていきたいですね。
今回は平成30年3月にメルマガでお送りした内容をブログに転載しました。
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