ところがカンボジアには、なぜか日本の司法書士が活躍できる場があるんです。
なぜか?
今回はそのレポートです。
カンボジアで登記制度を作った金武絵美子さん
2020年の1月の終わりにカンボジアを訪問してきました。
税理士の団体であるTKCの、カンボジア視察に同行させていただきました。
そして、カンボジア政府(国土省)で法律を作っている金武絵美子さん(日本の司法書士)にお会いしてお話しを聞いてきました。
金武さんはカンボジアの国土省で不動産登記制度を作っています。
いまは、正しく運用されるように(登記がワイロで通ることがないように)注力しているとのこと。
金武さんのオフィスには「書式精義」など、日本の登記の専門書がずらっと並んでいました。
カンボジアの登記制度は日本の登記と大体同じなんだそうですよ。
そりゃ、司法書士が作るんだからそうでしょうね。
カンボジアには専門家がいない
なぜか?
理由は、1970年代後半にカンボジアの政権があったクメール・ルージュによる大量虐殺。
知識層がほぼ皆無になってしまいました。
一説によると、字が読める人はみんな、殺害されたか国外逃亡したとのことです。
その後、クメール・ルージュが去り、カンボジアを立て直さなければいけません。
しかし、
・知識層を育てるための教える人もいない
という状況です。
これでは、経済発展はままなりません。
経済発展するには、不動産の権利を保全することは大変重要です。
まずは不動産に多くの投資がされるので。
ですから、登記制度を作る協力を、日本に求めてきたんですね。
それで派遣されたのが金武絵美子さんです。
カンボジアは急ピッチで成長しているが・・・
現在、カンボジアは年6~7%で経済成長を続けています。
実は東南アジアトップの成長率。
マンションやビルの建築も急ピッチで進んでいます。
ところがこれらの不動産を登記する担い手がいない。
カンボジアには登記を代理するための資格はありません。
知識さえあれば、誰でも登記申請ができるんですね。
そして、その登記の仕組みは日本の司法書士が作った。
日本の登記制度とほぼ同じだそうです。
後、必要なのは英語力だけ。
登記はクメール語(カンボジア語)ですが、英語ができれば、クメール語は現地のスタッフに任せることができます。
ドンドン立つビルやマンション。
しかし、登記の担い手がいない。
日本の司法書士が、少しリスクをとる覚悟があれば、大きなチャンスがあると思いませんか?
何から取り組むか?
まずは、現地の状況を見てください。
カンボジア、特に首都のプノンペンは、1年もたてば景色が変わるほど、急激な開発が続いています。
そのカンボジアの勢いをまずは、肌で感じて欲しいと思います。
次に、することは、現地でネットワークを作ること。
どうやって作るか?
日本人は、カンボジアにはまだまだ進出する人が少ないので、日本人同士のつながりが強い。
ですから、まずは、日本人が経営するホテルやショップにいき、そこから情報を得始めてはいかがでしょうか?
カンボジアで活躍する日本の人たち
カンボジアで、現地の農家向けにマイクロ・ファイナンス(小口融資)をしている日本人もいます。
カンボジアの農家は、未だに牛などで耕作しています。
そこに100万円くらい融資するだけで、トラクターが導入でき、一気に耕作面積が何倍にもなるそう。
貸したお金もわずか1年で返済することも多いそうなんです。
カンボジアの成長に寄与していますよね。
下の写真の女性は、ミャンマーで女性の自立支援をしています。
数万円の融資で小物商や飲食店などを立ち上げられます。
あと重要なのは教育。
お金の使い方や帳簿のつけ方など、少しの教育があれば、自立しやすくなります。
そのような、教育もセットで提供しているとのことです。
皆さん生き生きしていて、とても精力的でこちらも勇気をもらえるような人たちでしたよ。
ですから、まずは現地に行って、現状を見ることから初めてはいかがでしょうか?
私には夢がある
僕は、10年以上前から、海外に展開することが夢でした。
ドメスティックな資格の司法書士なのに、ずっとそんなことを考えていました。
民事信託も、将来は、海外で展開することを考えているんですよ。
だって、今後、急激に高齢化が進む国が近くにありますし。
現在、カンボジアでまたとないチャンスがあふれています。
このチャンスを多くの司法書士に提供したいと考えています。
できれば、司法書士をカンボジアに派遣する仕組みを作り、それを多くの人に提供したい。
できるかどうかはわかりませんが、まずはいろいろ動いてみようと思っています。
あなたも、カンボジアで起きているチャンスをまずは見てくださいね。
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