士業やFPの民事信託の初学者が、まず読むべきオススメの本


年間50回以上セミナーをしていますが、専門家向けのセミナーでよく質問されることがあります。

セミナー参加者
民事信託を勉強するのにオススメの本はありますか?
かわさき
もちろんあります。 ズバリ答えるなら『新しい家族信託』ですね。

士業やFPの専門家で、自分のお客さんに、民事信託(家族信託)の提案をしたいなら是非とも読んでおいて欲しい本がありますので、今回は何冊か紹介しますね。

  • 新しい家族信託
     ⇒ 専門家は、みんな持っている基本書
  • 信託を活用した新しい相続・贈与のすすめ
     ⇒ 信託の税務を知るならこの一冊
  • 家族信託活用マニュアル
     ⇒ 実務経験豊富な著者による事例集
  • 逐条解説 新しい信託法
     ⇒ 信託契約書を起案するならぜひ欲しいが、絶版
  • 家族信託実務ガイド
     ⇒ 実務上の論点から、営業方法まで、実務の最前線に迫る

オススメ1 民事信託の専門家はみんなが持っている1冊



『新しい家族信託 新訂版』
遠藤 英嗣 (著)、日本加除出版

家族信託・民事信託を扱う人はみんな持っている基本書です。

弁護士、司法書士、税理士、行政書士など、家族信託の契約書を起案する人は必携です。

事例も豊富にあり、信託契約書のサンプルも豊富です。

何度か改訂されていますが、古いバージョンを持っていても、最新の新訂版はさらに新しい事例が追加されているので、買い直した方がいいです。
最新版はピンクの本です。

FP等、信託契約書を起案しない人も、事例が豊富なので、オススメですよ。

オススメ2 民事信託を扱いたい税理士なら、まず目を通すべき1冊


『信託を活用した新しい相続・贈与のすすめ』
笹島修平(著)、大蔵財務協会

著者は家族信託普及協会の発起人の一人。
信託を業務で行いたい税理士さんや会計士さんにはオススメです。

信託と税金については詳しく述べられていますがとても読みやすいです。

家族信託の提案をするとき税金は必ず質問されるので、税理士以外の専門家も一通り目を通しておいた方がいいと思います。

どれから読んだらいい?と聞かれたら
・新しい家族信託
・信託を活用した新しい相続・贈与のすすめ
の2冊だと思います。

家族信託の様々な使い方が知りたいなら次の本がオススメ。

オススメ3 実務経験豊富な著者による多数の事例が収録


『家族信託活用マニュアル』
河合 保弘 (著)、日本法令

著者は家族信託の実務経験が豊富です。
2016年に聞いたら、100件以上やっている、とおっしゃっていました。

そのため、家族信託の事例がとにかく豊富です。

「こんな事案では、こんな風に使える」とわかっていると、相談を受けたときとっさに提案できます。

ただ、実務経験が豊富なために、先進的な事例も掲載されています。ですから、自分に関係するとこをピックアップして読めばいいと思います。

とてもわかりやすく書いてありますので、家族信託をクライアントに説明する際の説明方法にも参考になります。

アマゾンのレビューでは賛否両論ですが、事例が多い点と、民事信託の全体像をわかりやすく知ることができる点ではすばらしい本だと思います。

オススメですが・・・絶版 図書館で読めます

信託契約書の起案をする人向けには絶対オススメの本があるのですが、残念ながら廃版です。


『逐条解説 新しい信託法』
寺本 昌広(著)、商事法務

立法担当官による、唯一の解説書です。

信託法の条文ごとの趣旨を理解するのに役立ちます。
特に受益者連続に関して定めた91条はこの本がなければ、私は理解できませんでした。

ちなみに91条はこんな条文。

(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)
第九十一条  受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。

この条文、読んだだけでは理解不能ですよね。(笑)

増刷の予定を出版社の商事法務に一度聞いたことがあります。

かわさき
今後、増刷する予定はありませんか?
商事法務
その予定はありません!

きっぱり断られてしまいました。(^_^;

ときどきアマゾンで、中古本が出展されているようです。
けっこう高値になっていますが。

大きい図書館には蔵書されているでしょう。

実務現場の最前線を知るなら

実務現場の最前線を知るなら、オススメの雑誌があります。


『家族信託実務ガイド』
日本法令

実務上の論点から、顧客へのアプローチの仕方までまさに実務の最前線を知ることができます。
毎号取るのもいいですが、とりあえずはアマゾンでチェックして、気になる特集があったら買ってみるのもいいと思います。

手前味噌ですが・・・(汗)

初学者の人は、まずはどのような使い方があるか事例を知るのが一番と思います。
イメージがつきやすくなって、学ぶ速度も速くなりますので。

私の書籍ですが、イラスト豊富に、良くある事例を紹介しています。
よろしければ手に取ってみてください。

『いちばんわかりやすい家族信託のはなし』日本法令

一般の人向けに書いた本ですので、専門用語を極力使っていません。
3時間もあれば、読み終えると思います。

でも全体像や事例は頭に入ると思いますよ!

まとめ

特に士業の人に対してですが、
民事信託を学ぶなら、まずは『新しい家族信託』。
税金の知識は不可欠なので、『信託を活用した新しい相続・贈与のすすめ』

まずは、この2冊です。

さらに多くの事例も知りたいなら『家族信託活用マニュアル』
『逐条解説 新しい信託法』を中古で見つけたらゲット
という感じでしょうか?

FPの人は、事例と税金の知識を得るべきだと思いますので、『新しい家族信託』で事例を学び、『信託を活用した新しい相続・贈与のすすめ』で税金の概要をつかむイメージでしょうか。

あと、『家族信託実務ガイド』で、実務現場の最前線がチェックできますね。

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