スティーブ・ジョブズに学ぶ【士業のための】プレゼンの上達方法2 『人を引きつける説明をする方法』

新米 司法書士
どうやったら、聞き手を引きつける説明ができるのでしょうか?
新米 FP
どうやったら、お客さんに興味を持ってもらう説明ができるのでしょうか?

民事信託に取り組むと、
・セミナーの依頼を受けたり
・自分でセミナーを開催したり
・相談した人に民事信託の説明をしたり
と、民事信託の説明をすることが必要することが多くなります。

そのとき、どうやったら聞き手を引きつけ、興味を持ってもらう説明ができるのでしょうか?

年間50回以上、セミナーをやっている私でも、最初から上手く説明ができたわけではありません。
スティーブ・ジョブズのプレゼン方法を学んだおかげで、人から話しを聞いてもらえるようになりました。

学んだ書籍はこちら。

スティーブ・ジョブズの驚異のプレゼン

今回は「スティーブ・ジョブズに学ぶ、プレゼンの上達方法」の2回目です。

前回の記事はこちらから確認できます。

プレゼン初心者
プレゼンはどのような流れで組み立てたら良いのでしょうか?
かわさき
『問題提起+解決方法』が最も簡単で効果的な流れです。

『問題提起+解決方法』なら、簡単に聞き手を引きつけられる

スティーブ・ジョブズはマックワールド2003で言いました。

スティーブ・ジョブズ
どうして僕らが自分でブラウザを作らなければならなかったのだと思う?

スティーブ・ジョブズは、マックワールド2003で「サファリ」を発表しています。サファリは、インターネットを閲覧するためのソフト(ブラウザ)です。

当時のブラウザは、Microsoftのインターネット・エクスプローラー(IE)が圧倒的なシェアを誇っていました。
もちろん、スティーブ・ジョブズは、このIEを敵役に指名し、当時のブラウザの「問題提起」をしました。

スティーブ・ジョブズ
理由は二つある。一つはスピード。もう一つはイノベーション。

それを解決するのにサファリを紹介しています。

スピードについては、サファリを使うと、1ページを読み込むのにIEの1/3の時間で読み込めると説明します。

イノベーションについては、ツールバーにGoogleサーチを入れるとか、ブックマークに改善の余地があるということを指摘します。

「なぜこれが必要なのか?」

この一文だけで、簡単に問題提起ができます。
ジョブズはこの一文からスタートして、業界や商品の問題点を指摘し、それを解決するためにアップルの商品をヒーロー役として登場させています。

民事信託の「敵役」とは?

『問題提起+解決方法』の流れは、民事信託では、どのようになるのでしょうか?

受益者を何世代も先まで指定できる「受益者連続型」の信託で考えてみましょう。

ネットで、「受益者連続型信託」と検索してトップに表示されるサイトにはこのように記載されていました。

「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」とは、現受益者の有する信託受益権(信託財産より給付を受ける権利)が当該受益者の死亡により、予め指定された者に順次承継される旨の定めのある信託のことをいいます。

受益権の承継は、回数に制限はなく、順次受益者が指定されていても構いません。ただし、信託期間は、信託法第91条により、・・・

う~ん。正しいんだけど、、、
これで、一般の人は理解できると思います?
この先を読みたいと思います?

少なくとも私は読みたい文章ではないです。

あなたはいかがでしょうか?
そして、今までそのような説明をしてきていませんか?

目の前にいるのが80代の女性で、自分の財産をどのように次の世代に渡すか相談されたら、

「『後継ぎ遺贈型受益者連続信託』とは、現受益者の有する信託受益権が・・・」

というような、説明はしないですよね。

ではどうするか?

まず、問題を提起するために「敵」を登場させます。「敵」はだれでしょうか?
受益者連続型では敵は「遺言」になりますね。

さらに具体的な事例で紹介します。

遺言が敵! 民事信託の説明方法

アパートを所有しているヒロ子さん。
ヒロ子さん夫婦には子供がいません。

自分が先に亡くなったときに備えて、
ヒロ子さんは財産をご主人に渡す遺言を書こうと思いました。

ヒロ子さんが亡くなると、財産はご主人に渡ります。

ところが、次にご主人が亡くなるとヒロ子さんの財産は、ご主人の親族に渡ります。

ヒロ子さんは、せっかく遺言を書いても、自分の財産が夫の親族に渡ってしまうことになり、困っています。

遺言では解決できない問題を提起します。

これで、聞き手は、「この問題をどう解決したら良いのか?」
となります。

そこで民事信託の登場です。

民事信託を設定すると、ヒロ子さんが亡くなられたときは、ご主人にヒロ子さんの財産が渡ります。

その後、ご主人が亡くなられると、
ヒロ子さんの姪御さんなど、ヒロ子さんが指定する人に渡すことができます。

したがって、ご主人の兄弟などの親族に渡ることがありません。

このように財産を受け継ぐ人を、何世代にも渡って指定することは遺言ではできませんでした。

しかし、民事信託を設定すれば、簡単に実現可能です。

これで民事信託が問題を解決するヒーローになります。

このように『問題提起+解決方法』では、敵役(遺言)により、ヒーロー(民事信託)が際立ちます。
説明の流れがとても作りやすく、しかも興味を持って聞いてもらえます。

事例に関係ない状況の人は、興味がないのでは?

確かにそのとおりです。
子どもがいる人には関係のない事例です。

でも、同じような悩みを抱えている人には響きます。
例えば、自分の次は妻、妻の次は、二男に渡したい(長男には渡したくない)という人はピンとくるはずです。

ところが、
「現受益者の有する信託受益権が当該受益者の死亡により、予め指定された者に順次承継される・・・」
なんて説明されると、子どものいない夫婦でも、聞き耳をもってもらえるでしょうか?

ですから、明確なターゲットを定めてその人に向けたメッセージにするべきです。

そして、『問題提起+解決方法』ならすんなり聞いてもらえます。

私がこれまで行ってきたセミナーや冊子は全てこの『問題提起+解決方法』の流れにしています。

先日、家族信託の相談に来られた人も、「セミナーの説明がわかりやすかった」ことが理由で、相談先として私を選んでいただいたそうです。。

この『問題提起+解決方法』の流れはスティーブ・ジョブズから教えてもらいました。

正確にはこの本ですが。
スティーブ・ジョブズの驚異のプレゼン

まとめ

・プレゼンや一対一の説明では『問題提起+解決方法』にすると流れを作りやすい。
・問題提起という「敵」を作ることにより、解決方法が「ヒーロー」になる。
・具体的な事例で説明すると、理解しやすくなる。

『問題提起+解決方法』で、あなたも、人を引きつけるプレゼンができるようになるはずです。

そうすれば相談先として、他の専門家でなく「あなた」が選ばれるようになるかもしれませんね。

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