民事信託の受注のために、最初に起こした行動


新米 司法書士
民事信託を業務として取り組みたいのですが、何から手をつけたらいいかわかりません。

かわさき
待っていても仕事はきません。
昨日と同じことをしていたら、昨日と同じことしか起きないですから。
民事信託の仕事がしたいなら、昨日と『違うこと』をする必要があります。
新米 司法書士
具体的には何をしたらいいのでしょうか?
かわさき
私は、最初に民事信託のセミナーを開催しました。
あなたもセミナーをやってみてはどうでしょうか?
新米 司法書士
でも人に教える程、知識もないし、不安です。
かわさき
私も同じでしたよ。でも思い切ってやってみたら、数ヶ月後に初めての案件を受任しましたよ。
新米 司法書士
やっぱりそうですか!
最初は思い切って飛び込んでみるしかないですね!
かわさき
そうですね!
やはり行動を起こすしかありませんね。

私が民事信託を取り組もうと決めたのが、2013年の暮れ。
これを書いているのが2017年の4月ですから、3年ちょっと経ったわけですね。

最初は知識も経験もほぼゼロからスタートでした。

現在は、民事信託の実務を行っているのはもちろん、他の専門家や企業と提携して案件を行ったり、テレビにも出演したり、もうすぐ民事信託の書籍も出版される予定です。

NHKで家族信託(民事信託)を解説

昨年(2016年)は様々な団体や企業、士業の事務所からお声がけをいただき、セミナーは50回以上行いました。

最近では、政府系の機関と連携して、民事信託で事業承継を推進するプロジェクトも企画しています。

別に自慢したくて書いているわけではないですよ。(^_^)

0から始めた私でもできたのですから、「あなたもきっとできる」と言いたいのです。

しかも、たった3年です!
長い人生で考えれば、3年はあっという間ではないでしょうか?

あなたも、2~3年もあれば、このような状態になれるはずです。

では、そのために私は何をしてきたのか?
今回の記事は最初の一歩として、私がどんなことをしてきたかを書きたいと思います。

ポイントは
セミナーを開催した
です。

民事信託を受注するために受けたアドバイス

2013年の11月末

東京で、民事信託の第一人者である河合保弘先生がメイン講師を務めるセミナーに参加しました。

そのセミナーで民事信託の可能性に衝撃を受けました。
「こんなスゴイ制度があったのか!」

民事信託を使えば、成年後見や遺言では解決できなかったことが、簡単に解決できることがわかりました。

「でも、どうやったら案件を受けれるの?」
私は疑問に思いました。

そしたら、そのセミナーの最後の方で案件の受任方法もお話しされました。

自分でセミナーを開催しなさい。

理由は、セミナーを通じて、自分の専門性をPRすることができるからだそうです。
民事信託という新しい分野についてセミナーをすれば、自分のことを「民事信託の専門家」であると参加者は(勘違いして)思ってくれるからだそうです。

「でもいきなりセミナーか。う~ん、ハードル高いなぁ。」
率直な私の感想です。

そして、私は会場にいる参加者をグルッと見渡しました。

参加者は30人くらいだったでしょうか?

「この中で、セミナーを自分で開催しようと行動を起こす人は何人いるだろうか?
たぶん、多くて2,3人だろう。」

私は思いました。

「よし、その2,3人に自分がなってやれ。たぶん人生が変わるはずだ。

確かに人生が変わったかもしれません。

必要だったのは、ちょっとした勇気。そして、小さな決断、小さな行動。
知識や経験、他人からの承認は不要でした。

セミナーを開催するために、何から始めたか?

経験ゼロ。
知識は、ほとんどゼロ。(研修を受けて、本を1,2冊、ザッと読んだことがある程度)

普通に考えたら、セミナーなんかできません。

そこで何をしたか?

全く常識外れかもしれませんが、セミナー会場になりそうなところをネットで探し、いきなり会場の予約を取ってしまいました。
(苦笑)

「ああ~、本当に予約をしてしまった。どうしよう。。。」(茫然自失)

率直な感想です。
内容も全く決めていません。何をしたらいいかわかりません。どうやって集客するかもわかりません。(さらに苦笑)

でも、会場の予約をしてしまったのです。つまり、強制的に期限を切ってやらざるを得ない状況を作ったわけです。

「ダメだったらキャンセルすればいいし、失敗してもちょっと恥ずかしい思いをするだけで、命まで取られるわけではない」

こんな感じでした。

でも、やらざるを得ない状況を作るとスゴイですね。
行動に火がつきます。

まずテーマを決めました。

「事業承継を民事信託で行う手法」

これは、東京セミナーで私が衝撃を受けた手法だったので、これにしようと決めました。

そして、事業承継に関係のありそうな人、知り合いの社長や税理士、保険の営業の人など、声をかけられる人をリストアップしました。

内容については、勉強するしかありません。
その後は、関連する書物を読みあさりました。

そして、セミナーの内容を組み立てて行きました。

余談ですが、いまでは、事業承継を民事信託でする手法は、実務で私のすっかり得意分野になってしまいました。

一人では不安、でも手伝ってくれる人がいれば・・・

さすがに、いきなり一人ですることは不安でしたが、東京のセミナーの講師である河合保弘先生に思い切って相談しました。

かわさき
河合先生。先日のセミナーで言われたので、私も民事信託のセミナーを開催することにしました。新潟でやるのですが、手伝っていただけるでしょうか?
河合先生
おお~! そうですか。協力しますよ。がんばってください。
かわさき
ありがとうございます!
でも、河合先生にそんなに費用をお支払いできませんが、よろしいでしょうか?
河合先生
心配しなくても大丈夫ですよ。
川嵜さんがやるなら協力しますから。

河合先生とは、平成18年に司法書士に登録してからつきあい(?)がありました。
当時で8年くらいのつきあいだったでしょうか。

河合先生が主催する勉強会は、北は北海道から、南は九州まで、全国で参加していたので、河合先生も快諾してくれたのかもしれません。
やはりこうゆう時は人のつながりは大事かもしれませんね。

それに、河合先生は、若手の育成にとても力を入れられております。

ずっと河合先生の取り組みをずっとみてきましたが、本当に頭が下がります。

河合先生、どうもありがとうございます!

この場を借りて御礼申し上げます。

河合先生という最強助っ人を得て、ある程度安心感がでてきました。
本当に日本の第一人者ですから、まさに最強ですね。(^_^)

「セミナーで質問されて、わからなくても大丈夫。河合先生がいるから。」

本当に安心できました。

あとは、参加者を集めなければいけません。

来そうな人に、声をかけ(手紙をだしました)、頼めそうな人にもいろいろ頼んだ結果、16名の方からご参加いただきました。

そして、当日。

無事セミナーが開催できました!

そのときの風景がこちら

お話しをする河合先生

私もお話ししました。横には河合先生が座っててくれています。
この安心感はすばらしい!

かっこつけて話していますが、経験は0。
しかもホントはあまりよくわかっていない(笑)

無事セミナーも開催でき、反応も上々でした。

これで、いきなり受任できたわけではないですが、まずは、一度開催できたことは大きな自信につながりました。

これから数ヶ月後。セミナーも4,5回くらい開催したくらいの時、初めての案件を受任しました。

やってきたことは、小さな決断、小さな行動の積み重ね

最近は、民事信託でお問合せもいただく事も多くなり、様々な機関や団体から提携やセミナーのお話しをいただくようになりました。

でも、最初からそうだったわけではありません!

最初は、このように「無謀」といえるようなセミナーから始まったのです。

無謀と言っても、失敗しても、ちょっと恥ずかしい思いをするくらいです。

明日から仕事が0になるわけでもありません。

「セミナーをやる」という決断、「会場を予約する」という行動をきっかけに
様々な小さな決断や小さな行動を積み重ねて、最近はいろいろお声がけをいただくようになりました。

あなたも、きっと同じことができる!

ちょっとした勇気を持って、小さな決断と小さな行動を積み重ねてください。

2、3年もすれば、大きな成果になって表れてくるでしょう。

ぜひがんばって欲しいです。

がんばる人には、ブログやメルマガを通じてエールを送っていきたいです。

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コメント

  1. 氏原 明廣 より:

    読ませていただきました。家族信託が受注できるようになるためには参考になると思っています。広告する場合の成功事例のチラシの提示はいただけませんか。業務契約書や報酬規程等も非常に興味があるのですが、例えば、報酬の例示では河合保弘先生のホームページの報酬規程では委託者別の規定があります。河合先生は第一人者ですからこれが標準とは考えませんが、川嵜先生はどのよな報酬規程を作っていらっしゃいますか?。
    また、メルマガの記事は興味をもって読ませていただいています。
    信託契約の後で(信託発効後)、マンションの立て替えをする場合には受託者が金融機関との交渉で借り入れをしてマンションを建てる場合には、例えば、この交渉には受託者が単独で行うのか、委託者も関与するのかなど、実務はどのようになっているのかな?。このような場合には金銭消費貸借契約書には、委託者〇〇 受託者◎◎として署名押印したときに、借入金の支払いをする債務者は誰になるのか。出来上がったマンションの登記は受託者の個人名になると聞いたことがあります。この時に信託契約書に信託財産負担付債務であると記入する変更を行うべきか。それともそこまで考えて当初から信託契約書を作成すべきか。これかの関係についてメルマガにまとめていただけると非常にありがたいです。(実際の支払いは信託財産の上がり収益から支払うことになるとは思いますが。)お願いばかりになってしまいましたが。できればよろしくお願いしたい。まだスタートする前の準備段階です。

  2. かわさき かずお より:

    氏家さん
    コメントありがとうございます。
    広告する場合の成功事例のチラシですが、逆に私が知りたいくらいです。
    チラシを入れて「問合せゼロ」、なんて言うのは日常茶飯事です。(汗)

    でも一つ言えるとしたら、

    「チラシは何回も入れる」

    これでしょうか?

    逆の立場になるとわかりやすいです。
    セミナーのお知らせを受け取ったとき、そのタイミングは忙しくて見てられない、あとでしっかり見よう、と思って、そのまま忘れることはよくあると思います。
    そのとき、二回目のお知らせが来たら、「あ、あのとき忘れてた」となるので、そのときは申込みするかもしれません。

    このように、興味があっても申込みを忘れることはよくあるので、チラシは何回も入れるというのがいいと思います。

    業務契約書や、報酬規定については、私のコンサルティングを受けている人に有料で提供しておりますので、ここではご勘弁を。
    そのときの募集の記事はこちら
    https://kawasakikazuo.com/page-559/

    また、銀行との交渉は、銀行によって対応が様々ですので、一概に言うことは難しいですが、可能な限り委託者(当初受益者)が債務者になるように交渉すべきです。
    そうすれば、相続税の債務控除が受けられますので。
    受託者が債務者となって、債務控除を受けられるかは今度は税務署との協議が必要になりますよね。

    それでも最近は、銀行も民事信託については理解が少しずつ進んできているように感じております。

    コメントありがとうございました。

    川嵜一夫

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