そのような人のために今回の記事を書きました。
民事信託って、どの解説を見てもわかりにくいですよね。
最近、世間では、民事信託の本が出たり、セミナー(しかもけっこうな高額!)が開催されるようになったり、銀行も商品を開発したりで、民事信託が注目されてきています。
でも、どの説明を見ても、イマイチよくわからない・・・
この記事は、民事信託に興味があり、勉強したい人のために書きました。いろいろ勉強したけど、なかなか理解できない人でも、この記事を読めば、10分後には「そうか、わかった」となると思いますよ。
アパートのオーナーが高齢になると・・・
事例で考えると理解しやすいです。
私は、山田太郎といいます。70代です。
昨年、脳梗塞で入院しましたが、今は無事退院しました。しかし、今後のことで心配になってきました。 私はアパートを所有しています。私がまた倒れ、判断力がなくなっても、妻の生活が確保できるように、次の代の長男に生前贈与したいと思います。 私が、倒れた場合の備え、亡くなったあと、そして二代先と決めておきたいですが、何かいい方法はないでしょうか? |
山田太郎さんが心配されていることは2つあります。
・自分が認知症になっても、妻の生活を確保したい
(認知症対策)
・自分の亡き後、アパートを妻 ⇒ 子 ⇒ 孫 と継がせたい
(相続対策)
民事信託を一言で言うと
民事信託は、収益不動産で考えるととてもわかりやすいです。
次のような契約です。
だから「あの人」(自分でもOK)のことを頼みます。
登場人物は3人です
【わたし】 | (委託者) | 財産を託したい人 |
【あなた】 | (受託者) | 財産を託される人、管理・処分する人 |
【あの人】 | (受益者) |
守られる人、利益をもらう人 (自分や家族) |
自分の財産(アパート)を、信頼できる人に託して、自分や家族を守ってもらう契約です。
太郎さんのケースでは、
だから私や妻のことを頼みます。
と言うようになります。
アパートを託す人が委託者。事例ではお父さん
託されて、今後、管理していく人が受託者。事例では子ども。
アパートが適切に管理されて、利益(賃料)を得る人が受益者。
事例では、お父さんやお母さんです。
このような内容の民事信託契約書を作り、その内容でアパートの名義を子どもに移す登記をします。
管理権限は信託した子どもに移る
今後は、アパートの入居契約は信託を受けた子どもが行います。
修繕も子どもが行います。
アパートの管理方針は信託契約で決めておきます。
アパートは修繕してもいいけど売ってはダメならそのように書きます。
そうすれば、子どもはアパートは修繕できますが、他人に売ることはできません。その内容で登記されるので、売却の登記ができないからです。
お父さんが認知症になっても、子どもがしっかり管理してくれるので、お父さんやお母さんが生活に困ることはありません。
お父さんが亡くなると
アパートの賃料はお父さんに入ります。
お父さんが亡くなると、アパートを相続した人が賃料をもらいます。
だれに相続させるかは、通常は遺言で決めますし、
遺言がなければ相続人で決めた人がアパートを引き継ぎます。
しかし、民事信託ならだれが賃料を受け取るか、
お父さんが決められます。
賃料をだれが受け取るか?
最初はお父さん。
お父さんが亡くなるとお母さん。
お母さんの次は、子ども。
子どもの次は孫。
何代にも渡って、アパートの賃料をだれが受け取れるかを決めることができます。
このように民事信託は、
・管理権限を別な人に託して、お父さんが認知症になっても大丈夫にする。
⇒ 認知症対策
・利益(賃料)を受け取る人を、何代にも渡って決められる。
⇒ 相続対策
という、特徴があります。
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