障がいのある子の親亡き後 信託より法定後見?

民事信託

成人の年齢が下がります

来年2022年の4月1日から
成人の年齢が下がりますよね。
18歳に。

それで、その日の時点で既に18歳、19歳になっている人は、
4月1日から成人として扱われます。

#うちの娘がまさにそれ

そうすると困るのが、障がいのある未成年の子

20歳までは、親が財産管理をできていたのが、
親が財産管理できる期間が短くなってしまいます。

成人までは、親が口座のお金を出し入れできていたのに、
成人になった途端に、「本人でないとお金を降ろせません」

という事態が生じるわけです。

親できるうちは親ができた方がいい

それで、子どもの口座を動かせるように、親がキャッシュカードを作ったり
代理人カードを作ることがほとんどだと思います。

確かに若干問題あるにせよ、現実問題としてはやむを得ない。

でも、親もいつかは年老いていきます。
障がいのある子の財産管理をいつまでも続けることができないです。

それで、事前の対策と言うことで、
家族信託や任意後見を設定しようと
なることもあると思います。

でもこれは、特別な事情がない限り、私は待ってもいいかなと考えています。

家族信託は有効なのか?

親は、普通のサラリーマン。自宅以外に大きな不動産はない。
子どもに障がい。
他に子どもがもう一人いる。

このようなケースで考えましょう。

期間を3つに分けて考えます。

親が財産管理ができる期間
親が財産管理ができない期間
親が亡くなった後

親が財産管理ができる期間は問題ありませんよね。

キャッシュカード等が作ってあれば、親が財産管理できますので。

親が財産管理ができない期間と親が亡くなった後

この期間が問題ですよね。

ですから、この期間の財産管理のために、
もう一人の子どもに任意後見を設定しておくとか
(障がいのある子が未成年のうちだったら可能)
家族信託しておくなどの対策が考えられます。

でも、この期間は数十年続きます。
もう一人のお子さんも同じように年をとっていきます。

また、結婚して家族もできて子どももいるかもしれません。

任意後見や家族信託を設定するときは
おそらくもう一人の子どもは20代前半でしょう。

でも、発行させるとするときは、
おそらく50代、60代。

30年後、40年後です。

設定するとき、30年後、40年後はどうなっているかわからないですよね。

ですから、現実的に財産管理ができる状態かどうかはわからないです。

任意後見は即発行が建前

それに任意後見は、「補助」相当でも発行させることが建前です。
後見相当や保佐相当ではないんですよね。

後見
「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、」
(民法7条)

保佐
「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、」
(民法11条)

補助
「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、」
(民法15条1項)

任意後見の発効(監督人の選任)
「精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるときは、」
(任意後見に関する法律4条1項)

ほら、補助と任意後見の発効の状況の書き方がほぼ同じでしょ?

ということは、判断力が不十分な状況で、成人して、
任意後見を発効させるときが50歳としたら、
その30年間、なぜ発効させなかったのかを家裁から問われるかもしれません。

そうするとせっかく設定しておいた任意後見人が否定され
法定後見に移る可能性もあります。

ということで、任意後見がベスト、ではないかもしれないですね。

家族信託も同様

お金をもう一人の子どもに信託しておく
という方法ももちろんあります。

しかし、信託設定後のお金(障害者年金とか)を、どう信託に組み込むのか
という問題もあります。

しいて言うならば、自宅

自宅を子どもに信託しておき、
(父が所有者だった場合)

受益者を
父 ⇒ 母 ⇒ 障がいのある子 ⇒ 受託者の子

という受益者連続型なら意味があるかもしれません。

でも、そこまでしておく?
というのが私の本音

問題は、財産管理を誰に任せるかということ

けっきょくここなんですよね。

親ができるうちは親がすればいい。
それで親ができなくなったら、もう一人の子ではなく第三者

つまり法定後見です。

親が財産管理が難しくなってきたら、
親と第三者の複数後見を設定して、第三者にも子どものことをわかってもらうようにする
というのもいいかもしれませんね。

ですから、障がいのあること親亡き後は
私は、法定後見がいいのではと思うようになってきました。

生命保険信託も有効

では、障がいのある子にお金をどう残すか?

これは、生命保険信託が有効だと思います。

生命保険信託とは、
保険の受取金が生保会社が作った信託会社に信託される設定になっており、
その信託会社が少しずつお金を交付したりする制度。

扱える保険会社は少数ですが、少しずつ増えてきています。

親が亡くなると、保険金として
障がいがある子に毎月10万円とかが信託会社から振り込まれます。
もちろん、病気などで大きなお金が必要になったらそのお金も保険から支払われます。

そして、その子がなくなり、保険金がまだ残っていると、
残りの残金は、もう一人の子どもに交付。

このような仕組みを作ることができるんですね。

ですから、お金の残し方としてはとても良い制度と思います。

まとめ

障がいがある子については、
・親ができるうちは親がする
・親ができなくなったら法定後見(複数後見の助走期間も)
・生命保険信託の活用も有効

このような方法がいいのでは、と最近は考えています。

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