あなたは、なぜ、今の仕事をしているのですか?

今回は、2023年4月14日~15日に行った、沖縄合宿のお話しです。

自分の根本を見つめ直す

「あなたは、なぜ今の仕事をしているのですか?」

こんなことって普段は考えないですよね。

沖縄合宿では、こんな風に、自分の根本を見つめ直す話し合いをしました。

5名くらいでグループを作り、各自、このようなテーマを話し合いました。

自分が仕事をしている一番根っこの部分を見つめ直し、言葉に出すことは、
とても恥ずかしい。
でも、このことを通じて、また明日から仕事をする活力を得るようでもありました。

写真は懇親会の風景(笑)

かわさきは、なぜ今の仕事をしているのか?

私は、司法書士で、相続登記や後見、信託、死後事務等がメイン業務ですね。
それから、ちょっと複雑な商業登記も扱っています。

そもそも、なぜ、司法書士になったのか?

自分で独立して仕事をしたかったんですね。
しかも低いリスクで。

#合格するかは、かなりの高リスク(笑)

1990年代後半~2000年頃ですが、東京で、
国土交通省や建設系の役所をメイン顧客にした仕事をしていました。

主な内容は、建設系業務の電子化のお手伝い。
課題を発見して、改善や進め方を提案していきます。
コンサル的な仕事です。

建設系の仕事といってもちょっと特殊な分野だったんですね。

そんなこんなで、新潟に帰郷することになり、仕事を探さなければなりません。

でも、新潟のような田舎では、自分のキャリアを活かせそうな仕事はなかなか見つかりません。

であれば、独立して、自分で仕事しようと思ったんですね。

もう、何でもよかったんですよ。
ラーメン屋も検討しました。(笑)

でも、ラーメン屋は経験もノウハウもないし、うまくできる自信が全くありませんでした。
結婚して妻もいたし、あまり冒険はできません。

であれば、資格を取ろうと思いました。
書店に行き、資格の本を見ましたね。

最初に書いてあるのは、弁護士。

知名度は圧倒的な資格です。
でも、合格してから2年間の研修期間(司法修習)がある。
結婚して妻もいたので、これはムリと思い、パス。

次に書いてあったのが司法書士
合格後、すぐ独立開業できる資格とのこと。
これはいい!

ということで司法書士を目指すことにしました。

試験は大変そうでしたが、今まで仕事でコンサルをしてきたので
今度は自分にコンサルすれば良い。

試験の傾向を分析して、進め方の計画を立てて、それを実行する。
1年で行けるはず。

と、安易に考えました。(苦笑)

結局3年かかりましたけどね。

司法書士を目指すときは、
「ところで、登記って何?」
と言う状態だったんですね。

司法書士になり、現実に違和感

苦労しましたが、無事合格して、
晴れて司法書士になることができました。

しかし、現実に違和感を覚えました。

仕事の窓口が下請け型だったんですね。

不動産業者や、銀行などから、不動産の売買があると
「登記お願いします」
と連絡があります。それで仕事になる。

ですから、不動産業者や銀行は、発注者的な立場です。

さらに、登記は、誰に頼んでも結果は同じ。

そうすると、ちょっと心のない不動産業者や銀行の担当者は、
「誰に頼んでもいいんですよ」
と、あからさまな態度をとってきます。

民法から会社法、不動産登記法や商業登記法、それらの細かい通達
それらの本当に隅々まで頭に入って、正確な登記のサービスを提供する
高度な専門家であるはずなのに、
立場が非常に弱い。

実際、業者によっては、
キックバックを要求してきたり(司法書士はキックバックをすると懲戒になります)
不当な値下げを要求したり
してきます。
とにかく対等な立場で仕事ができない場合があります。

もちろん私はキックバックを支払ったことは一度もありませんし、
値下げ要求に応じたこともありません。

#だから儲かっていないのか?

独立するとき決めたこと

そうすると、気持ちよく仕事をするには、
不動産業者や銀行などから下請的な仕事のもらい方をしてはいけなくなる。

私が独立するとき決めたのは、
「不動産業者や銀行の下請になるのはやめよう」

最初は「相続登記」を受けるようにがんばったのですが、さっぱり結果が出ませんでしたね。

小冊子を作ったり、タウンページに載せたり、
セミナーをしたり、参加者にニュースレターを送ったり。

いろいろやりました。
でもぜんぜんダメ。

今ならダメだった理由がよくわかりますが。(笑)

次に目をつけたのが、その当時、出始めた「民事信託」

これなら、コンサル的な提案もできるし、
依頼も直接受けるようにがんばるしかない。

と言うことで、こちらもセミナーをがんばりました。
必死に勉強して、
一般市民向け、専門家向け、さまざま行いましたね。

そうこうしているうちに、ぽつ、ぽつ、っと依頼をいただくようになり、
多少経験を積んだら、
メルマガも始めたり、本も書いたりして(これはラッキーでした)
とにかく必死でしたね。

いや、今も必死です。でも毎日が楽しい。

信託業務を通じて感じたこと

お客さんをライフタイムで見て、大事にすることの重要性ですね。

通常の不動産売買の決済業務では、登記をしたら終わり。
極端な話し、決済の当日30分くらいお会いして、その後は接点がないこともあります。

もちろん、業務が終わったあと、継続的なお付き合いが続くこともあまりない。

ここに、司法書士業務の弱点があるんだと思います。

お客さんリスト(顧客台帳)がない。

私がやりたかったのは、「まいど!」って言える関係です。

飲食店でも長く続いている店は、常連さんがいます。

しかし司法書士の通常業務では常連さんができにくい。

いつも頼んでくれる不動産業者や銀行担当者は、究極的にはお客さんではありません。

でも、信託業務は、作ったら終わりではなく、信託を設定してからも長く続く関係。

そうすると、別な業務も依頼されるようになるんですね。
親の相続、自分の遺言。などなど。
さらに親戚や知人の紹介もいただくようになる。

ときどき不動産の売買の相談も受けるようになって、、、
そうすると今度は不動産業者に対しては
「発注者」
です。

立場逆転。
ここで偉そうにすることはしないですが、(偉そうにしたら、やなヤツ)
少なくとも、いつも仕事の紹介を受けるだけでなく、自分も紹介できるようになる。
お互い対等でよい関係が築けます。

税理士さんに対してもそう。
ときどき相続税の申告や、譲渡所得税、相続時精算課税の申告などを頼むことができる。
税理士さんからも紹介をいただくこともありますが、
こちらからも仕事を紹介できる。

お互い対等でよい関係になり得ますよね。

僕が目指しているのはこれですね。

そうすると、いかに、お客さんや業務の情報をストックしていけるかが重要になる。
お医者さんの「カルテ」のようなものが。
ところが、司法書士業務はいつも一見さんで、お客さんをストックする思想がない。
だから、よいシステムがなかったんですね。

それで作ったのが「法カルテ ~人を大事にするシステム~」
https://minjishintaku-kantokunin.org/2022/07/03/houkarute/

僕が、今の仕事をしている根本の部分はここですね。
司法書士として、
気持ちよく仕事をしていきたい。
楽しく仕事をしていきたい。

今は、よいお客さん、よいスタッフ、よい仲間たちに囲まれて、
毎日、気持ちよく仕事をさせていただいていますね。
(事務所の運営は必死ですが)

沖縄セミナー僕に取っても貴重な時間となりました。
また、同じような企画をしたいですね。

沖縄の夜のセミナーは契約書のチェック

沖縄合宿の夜の部は、信託契約書チェックセミナーを行いました。

Zoomで配信

ときどき、民事信託監督人協会として、信託契約書をチェックする依頼を受けていたんですね。
僕もいつも勉強になるし、そして楽しい。
これを一般公開できないか、
との発想で始めた企画です。

それで募集をしたら、応募がありました。
W先生ありがとうございます!

今回、信託契約書のチェックもとても勉強なりました。

自宅の売却のために信託する案件だったのですが、
私がハッと思ったのは、
目的の部分。

・受益者に居住させる
・自宅を売却する
この2つが併記されていた。

どちらも全く問題ないようですが、よくよく考えると
売却すると居住できなくなる。
この2つはある意味、矛盾する内容なんですよね。

それで、売却して登記をするとき
チョー意地悪な登記官(笑)から
「売却したら住めなくなりますよね」
と言われたらどうするか?

なるほど、と思いました。

こんな感じで、信託って奥が深いなって思いました。

契約書のチェック募集中!

読者のみなさんで、自分の信託契約書を協会メンバーからチェックしてもらいたいという要望がありましたら、
お問合せ欄から連絡くださいね。

個人情報の部分は隠してもらって、公開セミナーとしてチェックさせてもらったら
無料で行いますよ。
(通常は15万+税いただいております)

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