台湾がアジアのシリコンバレーになりそう

今回は、
台湾がアジアのシリコンバレーになりそう
というテーマでお送りします。

台湾に出張してきました。

渉外業務で有名な大阪の司法書士の稲垣先生からお声がけをいただいたんですね。
#ちなみに稲垣先生はアメリカの弁護士資格を2つの州で持っているツワモノです。

「台湾が、かなりすごいことになりそうだから、見に行かないか?」って。

そこで、ちょっとだけ“未来を見に行く”ような感覚での旅でした。

街を歩いてまず感じたのは、人の元気さと、街そのものに流れる「前へ進もう」とする空気でした。
確かに、台北の住宅の高騰や、路上生活者の姿もありましたので、社会的な課題も垣間見えました。
でもそれを上回るような、“エネルギー”のようなものが街に満ちていたんですね。
何か、発展している地域って、土地や町の雰囲気からエネルギーを感じるんですが、まさにそれを感じましたね。

世界を支えるTSMC──“2nmの壁”とは?

1nm(ナノメートル)って、100万分の1ミリのこと。
水分子が約0.4nmなので、水分子が5個並ぶと2nmです。

今、パソコンやスマホ等の最先端のチップには、2nm単位の回路を作っているそうです。

台湾の未来を語る上で、やはり外せないのが
TSMC(台湾積体電路製造)の存在です。

TSMCは、NVIDIA(エヌビディア)、Qualcomm(クアルコム)、Appleなど、世界最先端のCPUやGPU(まあ、簡単に言うと、パソコンやスマホの頭脳みたいな部分ね)の設計をする企業からチップ製造を受託する製造企業のトップ。

中でも注目すべきは、2nm・3nmといった超微細加工技術です。

これがなぜすごいのかというと、これほど小さな回路を安定して大量生産できる企業が、世界に他にほとんど存在しないからです。

これにより、最先端のスマホ、AIチップ、EV(電気自動車)など、次世代産業に欠かせないパーツの心臓部を握っているわけです。

特にAIを動かすためには、この最先端のチップが何万個もいるそうです。

つまり──
TSMCの工場が止まったら、世界のテクノロジーが止まる。
それくらい、台湾の技術が“世界の中核”になってきているということなんですね。

さらに台湾にNVIDIAも本社機能を移すことが

そしてもうひとつの大きなニュースが、NVIDIAの台湾への本社機能の一部移転です。

AIチップの開発で世界をリードするNVIDIAが、TSMCと連携を深めるために台湾への動きがあります。

しかもNVIDIAのCEOのジェンスン・フアンは台湾人!
台湾人として“母国に未来を託すような選択”にも見えました。

これは単なるビジネスの都合ではなく、
「次のテクノロジーの中心はアジアに移る」
という象徴的な動きだと感じました。

実際、台北ではNVIDIA関係の求人も増え、英語・中国語・日本語のバイリンガル求人が増えているそう。
(あ、食堂とかタクシーでは、英語は全然通じません(泣))

つまり、日本人が台湾で、台湾人が日本で活躍する可能性も、現実味を帯びてきているということです。

熊本という“玄関口”──地方が世界とつながる時代へ

実はこの流れ、日本とは無関係ではありません。
むしろ、私たちが暮らす“日本の地方”こそが、新たな国際拠点になりつつあるのです。

TSMCは熊本に大型工場を建設し、第1工場は稼働が始まっています。
第2工場は2027年末の稼働を目指しているそう。

これにより、関連企業や外国人技術者が熊本に続々とやってくることが予想されています。

たとえば…

台湾企業が日本法人を設立する
技術者が日本で不動産を購入する
もちろん、生活の場になるわけですから、住宅や商業施設もバンバンできるでしょう。

海外企業が日本の行政や制度についての理解も必要になります。

こうした場面で、法律・不動産・行政・税務の専門家の支援が求められるのです。

私たちの“日常業務”も、いつの間にか世界とつながっている。

ですから、
「世界が動いているから、私たちもグローバルに!」という大げさな話ではないということです。

むしろ──
私たちが今まで通りやってきた仕事の“延長線上”に、もう世界が入り込んできている。
そんな時代が、もう始まっているんですね。

司法書士であれば、外国人との登記・契約・相続に関わる場面が確実に増えるでしょう。
行政書士なら、外国法人のビザや許認可の申請。
不動産関係者なら、台湾や他国の投資家との取引機会。
税理士なら、国際税務の基礎的な知識が求められるかもしれません。

まずは、“世界を見る視点”を持つことから
今回の出張を通じて私が一番感じたのは、
**「世界は、自分たちのもっと近くにある」**ということでした。

だからこそ、まずはほんの少しだけでも──

台湾という国の動き、TSMCの存在感、熊本とのつながりに目を向けてみること。
そこから、自分たちの仕事を見つめ直してみること。

それが、これからの時代に向けた「小さな一歩」になるのではないかと、私は思っています。

また次回も、現場から感じたリアルな話題をお届けしますね。

PS
朝に屋台みたいなところで買った肉包(ロウパオ 小さい肉まんみたいなもの)。
肉汁がジューシーで、メッチャ美味しかったですよ!

PS2
台湾に行ってから、台湾語の勉強を始めました(笑)
目標は、タクシーや食堂の注文を台湾語でできるようになること。
三日坊主で終わらなければ良いけど(笑)

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